1995年 福岡県の老人医療費は、全国ワースト2位でした。そこで福岡県国民健康保険連合会は、高齢者の健康づくりを目的とした事業を福岡県レクリエーション協会に依頼しました。1997年までの2年間、高齢者の多い地域をレクリエーションインストラクターとエアロビックダンスインストラクターである私の二人が組になって回りました。
 このとき、低体力の方や高齢者、身体が不自由な方もみんなが一斉に楽しめる運動が出来たら!心も躍らせる、自分をRe‐createできるレクリエーションと合わせて心とからだを元気に出来るものが作れたら・・・と強く思ったのです。
 1997年 福岡県レクリエーション協会専務理事佐藤靖典氏より特別養護老人ホームでエアロビックダンスの指導のお誘いがありました。老人ホームに行ったこともありませんでしたが「やってみたい!」も気持ちが先にたちすぐ行かせていただきました。
 それから2年間、車椅子でも出来て、生活習慣病の改善・予防も出来て、転倒予防も出来る運動について・・・選曲について・・・音楽の使い方について・・・特養に入居していらっしゃる高齢者の皆さんの動きや、表情を見ながら、意見を聞きながら試行錯誤して作ったのがケアビクスです。

明るく 楽しく 元気よく そして美しく みんなと共に生きる!ケアビクス

ケアビクスとは、エアロビックダンスを改良したもので『こころ』と『からだ』の健康づくりを目的としています。椅子に座ったままでも立位でも行うことができ、身体に掛かる負担も少なく、しかも安全に楽しく行えるよう工夫されています。

ケアビクスの誕生
 私は、音楽に合わせて楽しく、無理なく健康づくりが出来るエアロビックダンスを純粋にいろんな方に広めたかったのです。特に高齢者の方々には、『心身ともに楽しめる』『自信を付ける(取り戻せる)』『希望をも持てる』エクササイズを伝え、心豊かでいきいきとした生活を手に入れていただきたい!そのお手伝いをしていきたいと考えていました。
1995年、福岡県国保連合会は、高齢者の健康づくりを目的とした事業を福岡県レクリエーション協会に依頼しました。レクリエーション協会とは、1990年のとび梅国体開会式集団演技の出演を機にお世話になっておりこの事業も'95'96と2年間、運動指導をさせていただきました。この時に「体力差があっても、身体が不自由でもみんなが一緒に楽しめるエクササイズが出来たら・・・レクリエーション的要素をふんだんに取り入れ,自分をRe-createできるものが作りたい」と改めて強く思いました。
1997年4月から、福岡県レクリエーション協会専務理事佐藤靖典氏より紹介された特別養護老人ホーム奈多創生園に毎週、運動指導に行き始めました。痴呆病棟45名ほどのグループと半介護病棟45名ほどのグループに、音楽を使った45分間の運動指導です。
いろいろ試行錯誤しながら現在のケアビクスプログラムを約2年かけて作りました。プログラム完成に当たっての先生は、施設の入所者の皆さんです。私は、皆さんの『正直な動きや表情』でたくさんのことを教わりました。

ケアビクスの主な現場
 4市町村の特定高齢者介護予防事業や各市町村の高齢者教室、デイサービス・デイケアセンター、老人ホーム(特別養護老人ホームも含む)などでケアビクスを行っています。
 ある特定高齢者の教室で、介護タクシーが参加高齢者をピックアップして10時に到着の予定なのですが、ある時期からタクシーが早く到着するようになりました。理由を聞くと介護タクシーに乗るための踏み台がいらなくなり、みなさん足取りも軽くタクシーに乗れるようになったので到着時間が早くなったということでした。確かに参加者の皆さんは、心も若返り、生き生きと教室を楽しみに参加されています。
 ある認知症専門の特別養護老人ホームでは、動きを覚えています。毎回投げキッスで終わるのですが、ある日それをせずに終わったら・・・(投げキッスの動作を行いながら)「今日は、これがなかったけん 気持ち悪か。」と言われます。また、ストレッチの直後に「今はカラダのどこが伸びてましたか?」と聞くと「ここ・・」と言って伸びていた身体の部位をさすります。
 すぐに忘れてしまいますが、その瞬間は「心地よい」とか「気持ちよく伸びてる」とか自分の身体と対話しながら、参加者の皆さんと楽しみを共有しながらケアビクスを行ってらっしゃいます。食欲がなかった方もさっきまで怒っていた方もケアビクスの時間になるとお元気になられます。